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着物リフォーム例、A様ブラウス


デザインはとてもシンプルなブラウスですが、
両脇の裾と袖口にスリットが入っています。

このような柄の布地は
どの位置に柄が入るかによって
イメージが大きく変わるので、
裁断の時に一番時間がかかります。

身頃の上の方が軽くなるように柄を配置して
表襟は無地の部分で取りました。
前身頃と後身頃がつながるように
両脇は柄を合わせてあります。

シンプルな形にされたので、
元の着物の柄が生かされて、
とても素敵なブラウスになりました・・・
元の着物は長い年数着用されていた物のようで、
ほどいてみると、
穴やスリキレの補修跡がいくつもあり、
何度も直しては着ていたらしく、
昔の人の物を大事にする暮らしが伝わってきます。

その着物を洋服にされて、また袖を通すお客様にも
頭が下がります・・・

「大量生産、使い捨て」の現代とは
全く反対の価値観ですが、
こういう方が少しでも増えていくと、いいですね・・・


古い着物を扱う場合は、
新しい服を仕立てるのとは別の苦労もありますが
手を加える事によって、
また服になっていく過程が楽しく、
仕上がってお客様に喜んでいただけた時は
私たちの喜びにもなります・・・